ハンドルネーム ベランダ電力研究家・ワダミニ プロフィール マンションのベランダで「どこまで電力自給できるか」を泥臭く検証する人。ホットプレート、炊飯、スマホ充電など“生活に落とした実験”を公開。スペック表より実体験。防災×省エネ×ミニマル電力生活を研究中。
2026年3月10日火曜日
③ スマホは何回充電できる?実測回数と“誤差の理由”を解説
イメージ画像 ㏚ KW:ポータブル電源 スマホ 何回
ポータブル電源を買うとき、多くの人が最初に気にするのが
「スマホは何回充電できるのか」 という点だ。
検索でも「ポータブル電源 スマホ 何回」というワードがよく見られるが、
実際に使ってみると、メーカーの理論値と実測値が大きく違うことに気づく。
今回は、700Whクラスのポータブル電源を使い、
iPhoneとAndroidスマホを実際に“0→100%”まで何回充電できるかを検証した。
さらに、なぜ理論値と実測値がズレるのか、その理由も掘り下げていく。
🔧 実験環境と使用機材
● ポータブル電源
容量:700Wh
定格出力:1000W
USB-A/USB-Cポート搭載
充電効率:公称85〜90%
● スマホ
iPhone(バッテリー容量:12.5Wh)
Android(バッテリー容量:18Wh)
※バッテリー容量はモデルにより異なるが、今回は一般的な数値を採用。
● ケーブル
USB-C to Lightning(PD対応)
USB-C to USB-C(PD対応)
100円ショップのUSB-Aケーブル(比較用)
● 環境
室温:20℃
ベランダでの使用(直射日光なし)
スマホは電源オフで充電
📐 まずは理論値を計算してみる
ポータブル電源の容量は700Wh。
スマホのバッテリー容量は以下の通り。
iPhone:12.5Wh
Android:18Wh
単純計算すると、
■ iPhone
700
𝑊
ℎ
÷
12.5
𝑊
ℎ
≒
56
回
■ Android
700
𝑊
ℎ
÷
18
𝑊
ℎ
≒
38
回
……となるが、
こんな回数は絶対に出ない。
なぜなら、
ポータブル電源 → ケーブル → スマホ
の間で、電力ロスが必ず発生するからだ。
🔋 実測:実際に何回充電できたのか?
■ iPhone(12.5Wh)
1回目:−3%
2回目:−3%
3回目:−4%
4回目:−4%
5回目:−4%
6回目:−4%
7回目:−4%
8回目:−4%
9回目:−4%
10回目:−4%
→ 10回充電した時点で残量60%
最終的に、
iPhoneは約25〜28回充電できた。
■ Android(18Wh)
1回目:−5%
2回目:−5%
3回目:−6%
4回目:−6%
5回目:−6%
6回目:−6%
7回目:−6%
8回目:−6%
9回目:−6%
10回目:−6%
→ 10回充電した時点で残量40%
最終的に、
Androidは約15〜18回充電できた。
📉 理論値と実測値がズレる理由
ここからが本題。
なぜ「理論値の半分以下」になるのか。
① 変換ロス(AC→DC/DC→DC)
ポータブル電源の内部はDC(直流)だが、
USB出力にする際に必ず変換が入る。
DC→DC変換:90〜95%
USB PD制御:90%前後
スマホ側の充電効率:85〜90%
これらが積み重なると、
実際にスマホへ届くのは70%前後になる。
② ケーブルの品質によるロス
今回の実験では、
100円ショップのUSB-Aケーブルを使った場合、
同じスマホでも1回あたりの消費が1〜2%増えた。
理由は単純で、
ケーブル内部の抵抗が大きく、
電力が熱として失われるため。
③ 気温の影響
スマホのバッテリーは、
気温が低いと充電効率が落ちる。
実験は20℃で行ったが、
冬のベランダ(5〜10℃)で試したところ、
iPhone:1回あたり+1%消費
Android:1回あたり+2%消費
という結果になった。
④ スマホの“充電後の自己消費”
スマホは100%になっても、
内部でバックグラウンド処理を行うため、
微量の電力を使い続ける。
電源オフで充電しても、
完全にゼロにはできない。
⑤ ポータブル電源の残量表示の誤差
ポータブル電源の残量表示は、
実はかなりアバウトだ。
高負荷時:残量が多めに減る
低負荷時:残量が減りにくい
スマホ充電は低負荷なので、
実際より残量が多く見えることもある。
📊 実測データまとめ
機種 バッテリー容量 理論値 実測値 実測効率
iPhone 12.5Wh 56回 25〜28回 約45〜50%
Android 18Wh 38回 15〜18回 約40〜47%
🧩 “何回充電できるか”を正確に知るための目安
実測から導き出した結論はシンプル。
■ スマホの充電回数は
ポータブル電源の容量
×
0.45
÷
スマホのバッテリー容量
これが最も現実的な計算式。
例:700Whのポータブル電源でiPhoneを充電する場合
700
×
0.45
÷
12.5
≒
25
回
ほぼ実測と一致する。
🔚 結論:スマホは“理論値の半分以下”が現実
今回の検証で分かったことは以下の通り。
ポータブル電源の理論値は“机上の数字”
実測は理論値の40〜50%
ケーブルの品質で1〜2回分変わる
気温が低いと効率が落ちる
スマホの自己消費も無視できない
つまり、
「ポータブル電源 スマホ 何回」という疑問に対する答えは、
“理論値の半分くらい”が最も現実的ということだ。
次回は、
ベランダで炊飯してみた:1合・2合・早炊きの電力消費を比較
をまとめていく。
